こんにちは
ゴルフ飛距離アップ専門
パーソナルトレーナーの小岡洋天です。
先日のレッスン中、生徒さんとの会話で
「メンタル面」について興味深いお話がありました。
その方の息子さんはラグビーをされているのですが、
目標としていた大事な試合になると、
チーム全体が空回りしてしまい、
気負いすぎて思うような結果に
繋がらないことが多いのだそうです。
ところが、
いわゆる「消化試合」になると、
格上が相手でも勝ってしまったり、
素晴らしい試合をしたりする。
「この差は一体何なのだろう?」
というお話でした。

多くのスポーツに共通する「気負い」の正体
これはラグビーに限ったことではありません。
ゴルフにもそのまま当てはまります。
・目標にしていた大会で気負いすぎて、ボロボロのラウンドになってしまった。
・一年に一度のプロテスト。そのプレッシャーから、普段通りのプレーができなくなった。
私自身の経験を振り返っても、
この「気負い」が良い結果に繋がることは
ほとんどありません。
スポーツ心理学の研究でも、
「結果を出さなければいけない」と気負うほど、
脳のワーキングメモリが不安でいっぱいになり、
普段は無意識にできているスムーズな身体の動きが
妨げられてしまうことが分かっています。
これが、
「プレッシャーで体が動かなくなる」
科学的な原因です。
では、
分かっていてもやってしまうこの心理状態に、
どう対処すればいいのでしょうか?
松山英樹プロを支えたキャディが語る「強さの秘密」
このプレッシャーを跳ね除けるヒントとして、
非常に興味深いエピソードがあります。
以前、
松山英樹プロのキャディを務めていた
進藤大典さんの講演を聞く機会があったのですが、
その話の中で、進藤さんは
「英樹は自分を客観視する能力がもの凄く高い」
とおっしゃっていました。
世界のトップで戦う松山プロでさえ、
試合中には当然、凄まじいプレッシャーや
感情の波が押し寄せてきます。
しかし、
彼はそれを感情のままに引きずるのではなく、
まるで「もう一人の自分」が
上空から見下ろしているかのように、
自分の状態を冷静に把握しているというのです。
これこそが、まさに
心理学で「メタ認知」と呼ばれる能力です。
近年のスポーツ科学の研究でも、
「メタ認知能力が高い選手ほど、試合中の不安をコントロールしやすく、本番で高いパフォーマンスを発揮できる(=勝負強い)」
ということが明確に証明されています。

感情を挟まず、「事実」だけを解釈する
では、具体的にどうやって自分を
客観視すればいいのでしょうか。
例えば、
自分より飛ばしそうな相手や、
上手い相手と同組になった時。
メタ認知ができる人は、
「ただ、あの人は飛ぶ人だ」
「上手い人だ」
と事実だけを解釈します。
それ以上の
「負けたらどうしよう」
「自分はダメだ」
といった感情は、
実は自分が勝手に付け加えた
「想像」に過ぎないと気づけるからです。
もし今日の調子が悪いと感じても、
ただ「今は調子が悪い」という事実を受け止めるだけ。
大事なのは、そこで
「だから今日はダメだ」
と感情に支配されるのではなく、
「その状況でどうリカバリーするか」
を冷静に考えることです。
・「今日はいつもと何が違うのか?」と分析する。
・「その中で、今できる工夫は何があるか?」を探す。
研究でも、
メタ認知によって状況を客観視できると、
脳の扁桃体(不安や恐怖を感じる部分)の興奮が抑えられ、
冷静な意思決定ができるようになることが分かっています。
そうすることで、
「ダメだ」と決めつけていた状況が、
「ベースが狂っているから、今はこれならできる」
「これなら大丈夫だ」
という前向きな思考に変わっていきます。

最後に
本番で特別なことをしようとする必要はありません。
松山プロのように、
今の自分、
今の状況をすべて客観的に受け入れて
挑むこと。
これができるようになると、
プレッシャーのかかる場面でも、
あなたの本当の実力が発揮できるようになります。
技術的なトレーニングや、
物理的なアプローチだけでなく、
こうした「脳と心の扱い方」も、
飛距離アップやスコアアップには
欠かせない要素かもしれませんね。



