ゴルフ飛距離アップ専門
パーソナルトレーナーの 小岡 洋天 です
“筋力トレーニング”といっても、この“筋力”というものが結構あやふやだったりします。
ましてやゴルフにとっての“筋力”とはいったいどんなものなのかも定義されていませんよね。
よく腕立て伏せやスクワットといったトレーニング方法の紹介はされていますが、
そもそも「力を出す」ことにどういった違いがあるのか、というのが一般的に知られていません。
そこで今回はこういった“筋力”にフォーカスして考えていきたいと思います。
筋力の種類
さてこの“筋力”
実は大きく分けて3つ種類があることはご存知でしょうか?
まずマラソンなど高いパフォーマンスを持続させる『筋持久力』。
そしてMAXで力を出すことができる『最大筋力』。
(ベンチプレス競技や綱引きなどの競技にはとくに重要な筋力)
それを効率よく瞬時に力を発揮する『筋瞬発力』。
筋力は基本的にこの3つに分類されています。
そしてこの筋力をバランスよく保つことが良いとされています。
ただ、スポーツ競技でパフォーマンスを上げることを考えると、その競技特性を考えて筋力トレーニングをしなければいけません。
野球でホームランを打つために筋持久力ばかり鍛えても意味がありませんからね。
そこでゴルフではどの種類の筋力がどれくらい必要なのかも考えていきます。
ゴルフのための筋力とは?
まずは筋持久力です。
ゴルフでは18ホールを5〜6時間かけてラウンドします。
だいたい6000〜7000ydほどですね。
メートルで換算すると5.4〜6.3kmなので、乗用カートに乗らないとすれば少なくともこれくらいは歩くことになります。
ということは7kmを余力持って歩くことができればゴルフの筋持久力は問題がないといえます。
成人の平均歩行速度は時速4〜5kmですから、約1時間30分を楽に歩き続けることができればゴルフに必要な持久力があるということになります。
なのでよほどの運動不足でなければ、筋持久力はそこまで入念に鍛え上げる必要はないかと思います。
むしろ日常生活の中で歩く時間を増やすことで自然にゴルフのための筋持久力は強化されていくでしょう。
あとは最大筋力と筋瞬発力です。
これはゴルフの目的によって変わります。
例えばゴルフを“すること”事体が目的であれば、そこまでこの2つの筋力は必要ありません。
たまに仲間とゴルフをして和気あいあいと楽しむのであれば、カーブスなどのサーキットトレーニングでも十分です。
しかし、飛距離アップやクラブコントロールの精度を高めたいのであれば筋瞬発力を上げていく必要があります。
それはカラダの回転力の源である地面を瞬時に押す力が重要になるからです。
いわば瞬発力(筋瞬発力)です。
この筋力が飛距離を伸ばす上で大切になってくるのです。
では瞬発力を上げる、ジャンプトレーニングやダッシュをすれば良いのかというとそういうわけではありません。
瞬発力トレーニングをおこなうために、その負荷に耐えうる最大筋力が必要になるからです。
いくら地面を瞬時に押せたとしても、押した瞬間にカラダの根幹である体幹が潰れてしまっては意味がありません。
あくまでも瞬発力に耐えうる最大筋力が必要なのです。
そのために実際のトレーニングでは最大筋力トレーニングと瞬発力トレーニングを必ずミックスさせます。
そのことで瞬発力トレーニングだけをしたとき以上の成果が出せるようになるのです。
過去の論文でも多くの実験で最大筋力と瞬発力を組み合わせたトレーニングが一番成果が上がっています。
もちろん個人の筋力差によってその配分を見極めないといけませんが、基本的にはこの2つの筋力を同時に高めていくことがベストになるのです。
例えばジャンピングスクワッットをする場合でも必ず基本のスクワットで、ある程度の筋力を高めてから行います。
急にジャンプ動作に入るとケガをする恐れがありますからね。
それくらい瞬発力トレーニングは難易度が高いのです。
もちろんその前にカラダの効率的な動きができているということが大前提です。
動きが悪ければ成果が上がらないばかりか、ケガをしてしまいますからね。
話をまとめると、ゴルフのための筋力は
1.最大筋力の向上+効率的な動き作り
2.筋瞬発力の向上
を段階的にアプローチしていくことが大切だということです。
それでは失礼します。