こんにちは
ゴルフ飛距離アップ専門
パーソナルトレーナーの 小岡洋天 です。
ゴルファーの体の悩みで最も多いのが、
・ラウンド翌日の腰の重さ
・毎回同じ位置が痛くなる慢性腰痛
・練習量を増やすと悪化する腰のハリ
これらは単なる「年齢の問題」だけではありません。
実は、
“現代の生活習慣そのもの” が
ゴルフの腰痛を生みやすくしています。
これは歴史的にも
科学的にも裏付けられた理由があります。
今回はその背景を、
わかりやすく解説します。

1. 戦前の日本人に腰痛が少なかった理由
現代の日本では、
腰痛は国民病と言われるほど増えています。
しかし、
歴史を辿ると
この現象が急増したのは戦後
1950~1970年代 以降 です。
戦前の日本(~1945年)は
・農業・職人など身体を使う仕事が中心
・椅子ではなく「床の生活」中心
・テレビもスマホもなく、座り続ける文化が少ない
・家事も移動も“動くこと”が前提
・学校も授業時間が短く、座学は現在ほど多くない
こうした生活スタイルから、
1日の座る時間は3~5時間程度だった
と推定されます。
つまり、戦前の日本人は
「動く生活」が当たり前で、
長時間同じ姿勢で固まることが
ほぼありませんでした。
2. 戦後~現代:腰痛が爆発的に増えた時代
戦後、日本は高度経済成長期に入り、
デスクワーク・通勤・椅子生活が
一気に普及しました。
これが腰痛急増のターニングポイント。
最新の大規模調査では、
日本の40~60代男性の平均座位時間は
8~10時間/日 に達します。
これは戦前の 約2~3倍以上。
さらに、
デスクワーク → 車移動 → 自宅でスマホ
という“固まりっぱなし生活”によって、
筋肉・椎間板・関節は常にストレスを受けています。
科学的にも明らか
英国3万人超の追跡研究では
→ 1日6時間以上座る人は、腰痛リスクが約33%上昇
韓国の大規模研究でも
→ 7時間以上の座位で腰痛リスク33%増
日本の加速度計研究では
→ 座る時間が長く、かつ動かない人は慢性腰痛が有意に多い
つまり、
“座りっぱなし”こそ現代の腰痛の最大原因
と言っても過言ではありません。

3. ではなぜゴルファーは腰痛を起こしやすいのか?
理由はとてもシンプルで、
次の “組み合わせ” が起きているからです。
①平日は長時間座りっぱなしで身体が固まる
40~60代男性にもっとも多い生活パターンです。
・骨盤が後傾し固まる
・股関節と胸椎の可動域が低下
・腰だけで動こうとするクセがつく
これは スイングの敵 です。
② その固まった身体で「回旋×スピード」のゴルフをする
ゴルフは日常生活にない「高速回旋スポーツ」です。
椎間板には
体重の7~8倍の圧縮力
がかかるとも言われます。
さらにプロゴルファー研究では、
腰をケガした選手は、ケガしていない選手より
ヘッドスピードが有意に高い
というデータもあります。
つまり、
速く振れる人ほど
腰に負担が集中しやすい のです。
③ 40代以降は椎間板と関節の“耐久力”自体が落ちる
・加齢による椎間板の水分量低下
・回復力の低下
・筋量の減少
・柔軟性の右肩下がり
そこに
1日8~10時間の座り生活 + ゴルフの高速回転
が入れば、腰痛が出ない方が不思議です。
④ だから必要なのは「治す」ではなく“戻す”こと
腰痛を根本から改善するために必要なのは、
いきなり筋トレでも、ストレッチでもなく、
まずは
“座りっぱなし”の時間を減らす工夫をすること
具体的には…
① 1時間に一回は椅子から立ち上がって1〜2分は軽く体をほぐす
→ 椎間板の負荷が大きく減ることが研究で証明済み
② 机を上下可動式にして立ってデスクワークする時間を増やす
③ 近場の移動であれば車でなく歩いたり、自転車で移動する
など、
できるだけ座りつづける時間を減らして
腰にストレスを与えないことが
腰痛を防ぐ身体の根本改善になります。

腰痛は“習慣”で変えられる
戦前の日本人が腰痛少なかったのは、
姿勢が良かったわけでも、
筋肉が強かったわけでもありません。
ただ単に
動く生活をしていただけ。
逆に言えば、
現代人は
「座りっぱなしで壊れた状態」
でゴルフをしているので、
腰痛になりやすいのは当然です。
でも安心してください。
動きの質を取り戻し、
座り時間をほんの少し見直すだけで
あなたの腰も、スイングも、必ず変わります。
まずは小さな変化と小さな一歩から。



