ゴルフ飛距離アップ専門
パーソナルトレーナーの 小岡 洋天 です。
ゴルフの技術を上げるには正しいスイングを繰り返し行う“練習”が必要になります。
そして、スイング技術が向上することによって、カラダはそのパフォーマンスをスムーズに行えるようになります。
それでは実際に繰り返し練習を行う時、人間のカラダでは何が起こっているのでしょうか?
カラダを動かすために情報は脳から脊椎を通って全身の筋肉に送られます。
このとき、情報は軸索と呼ばれる神経線維の鎖を通ります。
軸索はミエリンと呼ばれる物質に包まれていますが、練習を繰り返すことで、このカバーの部分が太くなっていきます。
ミエリンは電気ケーブルの絶縁体に似た働きを行うもの。
つまり、絶縁体が薄ければ電気信号の伝導率が悪くなりますが
絶縁体がしっかりしていれば、脳から伝わる電気信号を効率的に伝えることが可能になるわけです。
実際にマウスを使った実験で練習を重ねればミエリンのカバーが大きくなることが観察されています。
練習を繰り返すことで、脳から脊椎を伝って全身の筋肉まで至る、
「マッスルメモリー(筋肉の記憶)」が完成するわけです。
プロはこの「マッスルメモリー(筋肉の記憶)」によって鋭いスイングを獲得しています。
ある技術をマスターするための時間を数量化しようという試みがこれまでに行われていますが
“何時間練習すれば技術が身につく”という魔法の数字は発見されていません。
技術の習得に必要なのは単純な“練習時間”ではないからです。
大切なのは、練習の“質”と“効果的かどうか”ということ。
そして“改善点にターゲットを絞ったもの”を意味します。
(これは筋トレでも同じです)
それでは効果的に練習を行う必要があるとして、どうすれば可能な限り練習時間を減らして技術を習得することができるのでしょうか?
それはゆっくりと動く練習を反復練習内容に組み込むことが効果的です。
ゆっくり始めて、徐々にスピードを上げていくことで、より正確に技術が向上するということです。
そして、いったん肉体的な動きを確立させることができれば、その後は“イメージするだけの練習”でも技術を向上していくことが可能になるのです。
ある研究では、バスケットボールのプレイヤーたちを2つのチームに分け
グループAには片手のフリースローを実際に肉体を使って練習、
グループBには肉体を使わずに「想像する」というイメージトレーニングをしました。
2週間の実験の後でテストを行うと、各グループの上級・中級プレイヤーは、ほぼ同じ分量だけ技術が向上していたそうです。
初心者がイメージトレーニングしても効果がないとは言いませんが、
ある一定の技術までいくとイメージトレーニングが実際に練習するのと同じ効果があるということです。
とくに練習をしすぎてカラダが疲れている時は気持ちを切り替えてイメージだけの練習でもいいかもしれません。
駅のホームでするスイングイメージ(傘を逆さまにしてスイングしている人)もまんざら効果がないわけではなさそうです。