こんにちは
ゴルフ飛距離アップ専門
パーソナルトレーナーの 小岡洋天 です。
前回の記事でも少し書きましたが
今季LPGAツアーのシードを獲得した
プロ50人の各データとの相関関係を
数値化してみました。
すると当初
私が予想していたものとは違った、
予想外の結果も出てきたので
今回はそのデータをもとに
女子プロで活躍するための
最も大切な要素を解説していきます。
「稼げないプロ」から「稼ぐプロ」になるための戦略
結論から言います。
現在のLPGAツアーで
「稼ぐプロ」になるために最も大切な要素は
パー4のセカンドショットの精度
です。
いわば
“パー4のパーオン率”
を上げることがシーズン通して
平均スコアを上げる(データ上)
最も大きな要因になります。
ちなみにシードを獲得した
50人の平均パーオン率は69.3%。
18ホール中 12~13ホールパーオンした計算です。
そして 全体の平均スコアと
パー4のパーオン率の相関係数は0.695と
全体の平均パット数、リカバリー率を超えて
強い相関関係を示しています。
*平均パット数との相関係数は0.626、リカバリー率との相関係数は0.574。
(“1”に近づくほど相関関係は強くなります。相関関係が最もないのが“0”)
図(分布図)にするとこんな感じ↓
*縦軸はパーオン率。横軸は平均スコア。(左に行くほど良いスコアです)
*本来は右肩上がりの分布図になるはずですが、エクセルの使い方を分かってなく右肩下がりになりました…(ご了承ください)
このようにパー4でのパーオン率は
全体の平均スコアと大きく関係しているんですね。
ただここで
「パットが悪ければバーディー取れないから意味ないじゃん」
「ドライバーが飛ばないとピン狙えないじゃん」
て言われそうです。
確かに
パットの精度を上げることや
ドライバーで飛ばすことも
バーディー数を稼ぐためには必要です。
しかし、データを見ると
バーディーを取ること以上に
パー4でパーをセーブすることが(パー4でのパーセーブ率)
全体の平均スコアを上げるために
最も重要なのです。
その相関係数は0.928と絶対条件。
バーディーを取るためのパーオンではなく
パーをセーブするためにパーオンなので
必ずしも危険を冒してピンを狙わなくても
いいということです。
むしろシードを取っている選手の多くは
かなり安全運転を心がけています。
テレビでプロのゴルフを観ると
アグレッシブにプレーしている印象を受けますが
いつも上位にいる選手ほど
安全の延長線上でプレーしているのが
データを見てわかってきました。
安全運転が基本中の基本であることは間違いありません。
いいスコアで上がろうとするほど
“セーフティに攻める” です。
ちなみにフェアウェイキープ率と
パーオン率の関係性は
0.258とかなり弱いですが、
ティーショットでは“入れていいラフ”も
想定して打っていることもあって、
ある程度のラフからでも
グリーンは狙えるようになっています。
(メジャー設定になると この数値はおそらく変わってきます)
おそらく主催者側も
バーディーを多くとって
大会を盛り上げたいという意図は
大いにありそうですね。
なので入れていいラフを考慮しておけば
多少フェアウェイキープ率が落ちても
パーオン率にはあまり影響ないのが現状です。
あとはパー4の中で最も多い長さ、
360〜409ydのセカンドが
どれくらい残るのかを計算して
その距離のショット精度を上げることが
スコアを良くするための
一番の土台になります。
もちろん次に
全体の平均パット数、リカバリー率が
平均スコアと関係が深いことは確かなので。
ただ現時点で
“パット is マネー”
より
“ショット is マネー”
の方が正しいようです。
あとはどんなにサンドセーブ率が高くても
グリーン周りのバンカーに入れないこと。
そのためのショット力と
冷静なマネジメントも重要です。
どんなに上手いプロでも
バンカーに入れたら
3回に1回はボギーを叩きますからね。
シードを取った50人の平均だと
2回に1回はボギーを叩いている計算です。
アプローチだと
リカバリー率が62.7%に対して、
バンカーに入れると
-19.6%も下がって43.1%になります。
いかに上位にいるプロが徹底して
グリーン周りのバンカーに入れない戦略を
とっているかが分かります。
実はテレビで出てくるバンカーショットは
希少映像だったんですね。
以上、ここまでプロで生き抜くための戦略を
最新のデータを元に解説してきました。
しかし、中にはパーオン率と
反比例して結果を残している選手もいます。
そういった選手は決まって
パットがいいか、アプローチが上手いか、
両方なのか、のどれかです。
必ずしも“絶対”はないので
今回のデータを参考にしつつ、
そこから自分に合ったスタイルを
少しづつ作り上げてみてください。
それでは失礼します。