飛距離アップは「筋肉」より「神経」がカギ〜トレーニング初期に飛ぶ理由〜 684

「トレーニングの後、なぜか飛ぶようになっていた」


これは、私が現場でよく聞く言葉です。

 

・ウエイトを極端に増やしたわけでもない

・筋肉がついた実感もない

・でも、なぜか飛んでいる

こういうケース、実は珍しくありません。

 

ではなぜ、

筋肉がついていないのに飛距離が伸びるのか?

 

その答えは「筋肉」ではなく、

「神経」 にあります。

筋肉は「エンジン」ではない


まず前提として。

ゴルフの飛距離アップというと、

・筋肉を鍛えればいい

・ストレッチをすればいい

・下半身、特にハムストリングが重要

こうした話をよく聞きます。

 

実際、研究でも

左ハムストリングの筋出力が

ヘッドスピードと関連することは

示されています。

 

ここまでは事実です。

ただし、ここで少し整理しておきたい

ポイントがあります。

 

筋肉そのものが悪いわけではありません。

筋肉は飛距離アップにとって、

間違いなく重要な要素です。

 

ただ、筋肉は

「主役」というより、力を出すための“装置”に近い存在

だと考えると分かりやすいです。

 

どれだけ性能のいい装置でも、

どう使うかを決める仕組みがなければ、

本来の力は発揮されません。

 

筋肉は「出力装置」であって、「司令塔」ではない

という視点です。

 

筋肉を動かしているのは「脳」と「神経系」

 

筋肉は、勝手に力を出しているわけではありません。

・どの筋肉を

・どの順番で

・どれくらいの強さで

・どれくらいの速さで

これを決めているのは、

脳と神経系です。

 

たとえるなら、

筋肉はエンジン、

脳と神経はアクセルのようなもの。

 

どれだけ大きなエンジンを積んでいても、

アクセルを踏めなければスピードは出ません

 

逆に言えば、

同じエンジンでも、

アクセルを一気に踏める人のほうが速く走れる

ということです。

筋肉も、まったく同じです。

 

同じ筋肉量でも「出力の差」が生まれる理由


つまり、

同じ筋肉量でも

・出力が低い人

・一気に大きな力を出せる人

が 存在します。

 

この差を生む重要な要素が、

RFD(Rate of Force Development)

=「力を立ち上げる速さ」です。

 

飛距離アップに重要なのは「どれだけ速く力を出せるか」


ゴルフスイングは、

力を出せる時間が極端に短い

ゆっくり力を出している暇がない

という動作です。

 

だからこそ、

❌ 最大筋力が高いだけ

⭕ 短時間で一気に力を出せる

この差が、ヘッドスピードの差 になります。

 

スポーツ科学では、

トレーニング初期に起こるパワー向上の多くは

筋肥大ではなく、神経系の適応によるもの

とされています。

 

これが、

「まだ体は変わっていないのに、なぜか飛ぶ」

という現象の正体です。

「脳のリミッター」が外れると何が起きるのか?


人の脳には、安全装置のようなものがあります。

・急激な出力を抑える

・無意識にブレーキをかける

これが、いわゆる 脳のリミッター です。

 

トレーニングによって、

・瞬間的に力を出す経験

・強い出力を「安全だ」と学習させる

これを繰り返すことで、

脳が「ここまで出しても大丈夫」と判断するラインが上がる

 

結果として、

・同じ筋肉

・同じ体格

でも、出せる出力が

一気に上がる ようになります。

 

だから「筋肉を大きくしなくても」飛距離は伸びる


ここが一番伝えたいポイントです。

✔ 筋肉を大きくしなくても

✔ 重量を極端に増やさなくても

神経系の使われ方が変わるだけで、

ヘッドスピードは上がる。

 

実際、私の指導現場でも、

・体を大きくしない

・極端に重たいウエイトを使わない

にも関わらず、

・初速が変わる

・打感が変わる

・ヘッドが走り始める

という変化が起こります。

 

まとめ|飛距離アップは「体」より「使われ方」


飛距離アップを整理すると、

・筋肉 → 出力の上限を決める

・神経 → その出力をどれだけ速く引き出せるか

 

特にゴルフでは、

「どれだけ力があるか」より

どれだけ大きな出力を速く使えるか

これが結果を大きく左右します。

 

最後に


もし今、

・体は鍛えているのに飛ばない

・筋トレを頑張っているのに変わらない

 

そう感じているなら、

足りないのは、筋肉ではなく神経の使われ方

かもしれません。

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