ダスティン・ジョンソンの飛距離の秘密 226

ダスティン・ジョンソンといえば

過去に全米プロの最終日、最終ホールでバンカーだと思わずクラブのソールを地面につけて(2打罰)優勝を逃した苦い体験があります。

しかし2016年の全米オープンでは悲願の初メジャータイトルを取った世界トップクラスの実力者。

現在は平均飛距離310yd以上を誇る世界屈指の飛ばし屋です。

 

そんな地獄と天国を味わったダスティン・ジョンソン、

身長193.0cm、体重86.0kgの恵まれた体格を使ってどのように

飛距離を生み出しているのでしょうか?

 

ダスティン・ジョンソン 飛距離の秘密1

ダスティン・ジョンソンの飛距離の秘密は3つあります。

 

まず1つ目が柔軟性です。

とくに上半身の柔軟性が高いことがポイントです。

バックスイングの時に股関節の回転が41°に対して、

 

 

上半身の回転が111°、
*PGAツアープロの平均が89°

合計152°の捻りをときはなしてヘッドスピードを加速させているのです。

 

 

その場でカラダを回転させてボールを打つゴルフは

回転の大きさが多いほどヘッドを加速させるには優位です。

 

そしてこの上半身の柔軟性を引き出しているのが背骨の胸椎と言われる関節。

胸椎は首と腰の骨の間に位置する関節です。

基本的に回転を生み出すことに適しているのですが、加齢や姿勢の悪さからこの関節が硬くなる傾向にあります。

 

しかしダスティン・ジョンソンの胸椎の柔軟性は非常に高く、肩甲骨や肩の関節の捻転もいれると他のプロよりも20%近く可動域が大きい計算になります。

しかも比較しているのは世界屈指のプロゴルファー達です、

いかにダスティン・ジョンソンの柔軟性が長けているかがわかります。

 

ダスティン・ジョンソン 飛距離の秘密2

2つ目が代償動作がないことです。

代償動作とは本来使うべき関節の機能が働かず、別の関節が身代わりとなってその役割を果たす動作のことです。

 

ゴルフスイングでいうと股関節や背骨の回転を使ってカラダを回転させてます。

しかし、先ほどの背骨の柔軟性が硬くなると、カラダを回転させることができないので腕で無理矢理クラブを回したり、上半身を起こし、その反動を使ってボールを強く叩こうとしてしまいます。

こうなるとムダな力が入ってしまい再現性が落ちるわけです。

そればかりか動きに硬さが生まれるのでヘッドも加速しません。

 

しかしダスティン・ジョンソンにはその代償動作が全く見当たらないのです。

動かすべき関節を効率的に動かし、安定させる関節は微動だにしないのです。

これは生まれもった才能なのか、あとから獲得したものかわかりませんが、

スイングを観るとムダな動きが全くないことに驚かされます。

 

今回は背骨の柔軟性を例をとって説明しましたが。

股関節、肩関節、首の関節にも同じことがいえるのです。

いかにこの代償動作をなくしてカラダを効率的にコントロールするかが飛距離アップ、またケガを予防するカギにもなります。

 

ダスティン・ジョンソン 飛距離の秘密3

3つ目が地面を効率的に押す能力です。

これは地面反力を効率的に生み出す能力のことをいいます。

 

もちろん地面を押すパワーや瞬発力も

飛ばし屋の絶対的な共通点ですが、ダスティン・ジョンソンはそれだけではなく地面の押し方が抜群にうまいのです。

 

とくにバックスイングからの切り返しで左足を使って地面を押すのですが、

左足の重心が絶対につま先に乗りません。

 

これはモモの前の筋肉を使っているのではなくお尻の筋肉を使って地面を押している証拠です。
*お尻の筋肉はカラダの中でも最大の力とスピードを生み出します。

 

おそらく土踏まずの後方からカカトで地面を押していると考えられます。

実際にインパクトをすぎると左のつま先が少し外に向いて回転してますよね。

これがつま先に重心が乗るとそんな動きにはならないはずです。

また速いヘッドスピードでもミート率がいいのは

お尻を使って地面をとらえているからです。

 

私のトレーニングではスクワットをおこなうことが多いのですが、

そのときに足裏の重心をしつこく意識してもらうのは効率的に地面を押すため、お尻の筋肉を使って地面を押すためです。

ただ筋肉を効かせるスクワットではなくゴルフのためのスクワットにするためなのです。

 

以上、私が考えるダスティン・ジョンソンの飛距離の秘密を説明しました。

ただこの3つの能力を獲得するには地道なトレーニングが不可欠です。

まずはあなた自身のカラダの状態が今どうなっているのかを理解するところからスタート。

そこから理想の動きに向けてどういった能力が必要なのかを逆算しながらトレーニングをおこなうことが大切です。

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